Me & My Degu

デグーとの暮らし、日々のあれこれ

バカになってしまった

ソングブック (新潮文庫) ニック・ホーンビィの「ソングブック」という文庫本を買ってきた。音楽系blogのいろんなところで面白いと話題沸騰。新潮文庫の薄い本なので、まぁ一時間コースかな、と思っていたら、これがなかなか読み進めない。頭に入っていかない。
ニック・ホーンビィ自身が好きな曲について「なぜ・どんなところが・どんなふうに」好きなのかを書き連ねた連作短編集、エッセイといってもいいかもしれない。語られているのが知らない曲でも、読んで面白い、と書評にあった。あぁ、でも、ダメなの、私はバカになってしまったようだ。
活字を目で追い、文章の流れに乗って作者が「言いたいこと」を摘み取り、自分の考えと擦り合わせて脳みそに仕舞い込む、はずが、でれでれと目と反対側の出口から文字がこぼれ出てしまっているようだ。なにも頭のなかに残らないぞ。読んだ瞬間は「あ、こういうことかも」なんて薄ボンヤリ思うが、次の章になったら前の章のことはすっかりドコカへ行ってしまっている。あぁ、この人の文章は、スマートで洒落ているんだろうな、で、言い回しもニクいんだろうな、ちゃんと「ワカル」頭をもっていれば「ワカル」んだろうな。でも、私はどうやらバカになってしまったみたいなので、「もっとスッキリと言いたいこと言って、ね、お願い」と思うばかりだ。ニック・ホーンビィ氏の口から、ニック・ホーンビィ氏の思考を(嗜好を?)ニック・ホーンビィ氏のやり方で語ることが大事なのだろうが、ニックさん「言いたいこと」を南伸坊氏に伝えて南伸坊氏に書いてもらってください、なんて願ってしまう。
結局、三分の二まで目を通したが力尽き、その日は本を閉じる。みんなが「楽しい、面白い、素晴らしい」と絶賛するモノがすんなりと理解できない自分に自己嫌悪。もう一回じっくり取り組めば、バカになってしまった私でも、「そうそう、そうよね〜、私が感じてたことを言葉にするとこういうことなのよね〜」と理解できるのだろうか。
そんなバカの私でもとっても楽しめるのがこちら。なので、たぶんほとんどの方が楽しめるハズ。いつか聴いた歌 (文春文庫)