Me & My Degu

デグーとの暮らし、日々のあれこれ

橋を渡る

ペディキュア塗りなおしました

あにきさんがムカシにリリースしはった音源を聴かせてもらった。PIEおよびC-POINTのときのもの。http://blog.livedoor.jp/ykawabata451/archives/8788081.html

あにきさんの歌声は、今世紀になってからの「ソウルマン」としてのシャウトしか知らなかったので、や、有山さんほどの変貌は感じられなかったものの、そのスムーズで流れるような気持ちよい歌い方と「若い声」にうっとりする。CSN風のコーラスワークにあにきさん趣味のブラックテイストが見え隠れする音。

「少年の夢」という曲はドラマの主題歌になったらしい。少年と世界を隔てる川。いつか橋を渡ってココを出て行くんだ、と少年はいつも思っている。メロディがなんかすこしお醤油っぽいフレイバーだ、と思ったらあにきさんの作品ではないんですね。少年は旅立つ。橋を渡って。たくさんの夢と「大好きなママの写真」を持って。おぉ、いいですね〜。「彼女の写真」じゃないところがヨロシイ。男の子を持つ母親としては、非常にヨロコバシイ。もうお嫁さんのコトなんか知っちゃいないのだ。やはり自分の息子はマザコンが一番。マザコン万歳。今朝も敷きっぱなしだったお布団に「も一回寝ちゃおっかな〜!」と叫んで身を投げたら、中二次男もわぁい!ともぐりこんできた。羽根布団にくるまってしばらくもぐもぐと二人してじゃれあう。ふふ、いつまでこんなコトしてくれるかなぁ。あ、でも、「少年の夢」の男の子の場合、橋を渡ってしばらくしたらもうお母さんは「雲の彼方」に行ってしまうんだけれど。でもいいか、それも。息子に好かれたままで死んでしまうのも。
「橋を渡る歌」といえば浅川マキさんの「赤い橋」。♪不思議な橋がこの街にある 渡った人はかえらない♪ そんな橋があったならその街は随分過疎化するだろうなぁ。小さい頃ワイドショーを見てた時のこと。コーナーの一つに「新人歌手の歌を淡谷のり子が批評する」というのがあった。毎週何組か新人さんが出て淡谷のり子さんの前で歌う。で、案の定淡谷のり子さんが冷徹にも「アナタね、そんな歌じゃダメだわね」と斬って捨てるのだ。そんなコーナーに、ある週アイドル歌手や演歌歌手の新人さんに混じって、浅川マキさんが出たのだ。「うわぁ、浅川マキだよ!なんでこんなコーナーに出てるの?そもそも浅川マキって新人?」とビックリした。歌った歌は、この「赤い橋」か「夜が明けたら」のどっちかだったと思う。で、そのコーナーで私は淡谷のり子さんが誉めたのを初めて聞いた。歌い終わった浅川さんに「あなた、歌心あるわね」と言ったのだ!日本的なジャンルとしての「ブルースの女王」と、いわゆる「ブルースの女王」の邂逅。
山崎まさよしの「坂道のある街」では、主人公は橋の欄干にもたれて河の流れを見ている。天気は下り坂だな、と思いながら、故郷に残してきた恋人のことをぼんやり考えている。この主人公は、きっと恋人の写真は持ってきていても、「大好きなママ」の写真は持ってないだろうな。
TVの特番でよくある企画、「透視能力者による犯罪捜査」。いつも「その場所」は赤い屋根があって、塔があって、川が流れていて、橋がかかっているのだ。
橋を渡る。渡ったひとはかえらない。