Me & My Degu

デグーとの暮らし、日々のあれこれ

作者との距離

義父は高橋真梨子さんファン

作品と作者を切り離して考えるべきだとずっと思っていた。作者が人間的に好きになれないとしても、その作品の素晴らしさは損なわれないと思っていた。たとえば自分の脳内で美化しこうあるべきと作り上げた「山崎まさよしの偶像」に対して熱い恋心を吐露するblogを目にした時など、えーとコリャ山崎さんもタイヘンだわねーなどと思ったりした。また、犯罪を犯したミュージシャンの作品が市場から引き上げられる事態に対しても、作品には罪はないのだからそんなことしなくていいのに、と思っていた。しかし実際自分が今感じている感情は、まったくもって「良く知らなかったから以前は気分良く聞いてたけど、知ってしまっので前ほど愛せなくなってしまったかも」というものなので自分の中で整理ができずに困惑している。
一つ前の日記でも触れた江川ゲンタ氏が書いているblog美ぎ島MUSIC CONVENTION IN MIYAKO ISLAND の「遂に!四国へ」というエントリーのコメント欄。

都会だと、一般社会から外れて過ごすことも出来るけど、田舎は難しいですもんね。
物心付いたときから、社会不適応者でして、例えばサラリーマンをやってゆく才能が無い人間なんです。
農業になると、誰に命令されるわけでもなく毎朝、畑や田んぼに出て働く…尊敬します。
そうゆう環境に行くとパニックになっちゃうんですよ。
まともな生活が出来ないんで必死に音楽をやってます。
頭がちょっとイカれてるんです。ウヒャヒャ。
まぁ、ミュージシャンなんてこんな輩がほとんどですが。

特殊学級出身者なんで

ゲンタ氏の経歴について詳しいことは知らない。本当のことかもしれないし冗談のつもりなのかもしれない。どちらにしても私には受け入れがたい。こういう風に書けてしまえる人の音楽を楽しめるのか私は、いやー、ううーん、どうかなー。
(8日追記:読んで涙が出る。「S嬢 はてな」より「息子の成長メモ」ゲンタ氏に読んでほしい文章。ゲンタさんご自身は実際上記のような認識のもとで生活されているのかもしれないが、ミュージシャンなんてこんな輩がほとんど、と言い放つことは、ミュージシャンに対しても「どんなことが起きても、目の前のことをこつこつと解決していく」努力を続けておられる人たちに対しても、どちらにも随分乱暴な物言いだと思う)

ゲンタ氏。mixiでの山崎まさよし氏の秋のツアーに対する発言を読んでも、私にはこのヒトはナニか勘違いしているとしか思えない。mixiなので発言内容の引用はしないが、今度の山崎氏のツアーはツアータイトルからしてもカバー中心の内容だろうと判断しすごく楽しみにしているのだが(一つのツアーで複数回行きたいと久々に思うほど)、そうではないのかな?今回のことといい前回のことといい、なにやらゲンタ氏は「事務所やレコード会社の意向」に対して敵意とも取れる感情をお持ちのようだと感じた。今日から二日間四国中央市でゲンタ氏が山崎氏のバックで参加するLIVEがある。どんなLIVEになるのだろう。たとえば事務所やレコード会社や辺鄙なところにある小さな規模のLIVE会場には行けない全国のファンを仮想敵のように対比させることはしないでね、お願い。
(なんとも憤懣やるかたないのでこれまた8日追記:アルバム聞けてないうちにツアーのチケットを取らないといけないのはファンのせいではない。それとLIVEに行くファンがどういったLIVE内容を望んでいるのか、なぜ事前にわかるというのだ)


義父逝去。あわただしくお通夜、告別式。親族だけでひっそりととり行う。あまりに急なことで夢の中の話のような心持ち。医者であったので御自分の体の治療計画を自ら立てておられた。検査のため入院しておられたところに一人でお見舞いに行ったのはつい先々週のこと。病室に入った早々「僕、癌なんよ」とおっしゃった。ずっとむっつり黙りこんでいると義母から聞いていたので、とにかく「笑える話」を、とあらん限りの力を振り絞っておしゃべりした。長男のバイトの話、次男の修学旅行の話、パソコンの話、若いころに行った海外旅行の話、いろいろいろいろ。ソファで他愛ない話をし、笑いあった。僕もこんなことがあってな、その時こうでマイったわー、と話が弾んだ。二時間近く話をしていたか。義父と二人きりで長時間話をしたのはあの時が初めてだったかもしれない。検査の時間になったのでおいとました。それが最後。お義父さん、さようなら。おしゃべり楽しかったですね、もっともっと話せたら、笑いあえたらよかったです。