Me & My Degu

デグーとの暮らし、日々のあれこれ

「へんなおっちゃん」

9才の女の子に小銭を渡して口止めし、わいせつ行為を繰り返していた男の逮捕を伝える記事を読み、心が痛む。こんな輩は問答無用で男根をちょんぎってしまえばいい。
あれは確か中学一年の美術の授業中だったと思う。あまり親しくはなかったクラスメイトの女の子が突然私に「小さい頃へんなおっちゃんに会った話」をしだした。
そのおっちゃん知らない人やってんけど、へんなおっちゃんでな、物置にうちを連れてってパンツ脱がしはんねん。そんで注射器を持ってはってな、その中にカルピスみたいな白いもんが入ってて、それをちゅぅって私のあそこに入れはってん。なぁ、へんなおっちゃんやろ。
あぁ、いけない、そんな話をそう親しくもない私に話しては。屈託ない彼女を前にして私は言葉を失った。男は「ヘンなおっちゃん」ではなく変質者で、その白いものはそいつの精液だ。そいつは小さな貴方を汚したんだ。授業中にするような世間話じゃないんだよ。私に話すということは、これまでもいろんな人に話してきたの?そしてこれからもいろんな人に話すの?いけない、いけない、いけない、こんな話をしてはだめ。
でも彼女に忠告できなかった。私が「その行為」の示すものを教えることで、ちょっとオクテでのん気な彼女を「汚された少女」にしてしまうのが恐ろしかった。いつか彼女も自分がされた行為の意味を悟る日がくるだろう。知った時にどれほど彼女が傷つくか。それが容易に想像できたが故になにも言えなくなってしまった。曖昧に笑って、「ヘンな人には近づかないほうがいいよね」なぁんて当たり障りの無い返事しか言えなかった。
彼女はどうしているだろう。目鼻立ちのくっきりしたかわいい子だった。美人になっているだろうな。「そんなことやたらに言わないほうがいいよ」って告げられなかった私を恨んでいるだろうか。