Me & My Degu

デグーとの暮らし、日々のあれこれ

鎮魂の日

いつでも(餌を)探しているよ

山崎まさよしの「One more time,one more chance」は、彼が阪神淡路大震災で失った彼女のことを歌った曲だ、という「まことしやかな話」を時折耳にする。もちろん事実ではなく、この曲は彼が上京して間もない頃に書かれたもので、震災よりもずいぶん前にすでに出来上がっている。そうしたことを知らない人がこの曲を聞いたとき、その強烈な「胸締め付け感」のために、こういった「死んでしまった彼女」伝説をすんなり納得してしまうというのもわからなくもない。だが何故阪神淡路大震災
私がこの「噂」に加担してしまったのかな、という気もしていた。以前やっていた山崎ファンサイトのなかで日々更新していた人力blogのようなページがある。2002年の震災の日にこうした文章を書いたのだった。あくまでも「One more〜」という曲そのものが持っている圧倒的な喪失感が鎮魂の願いに重なるように思えたので。山崎氏の個人的な愛情生活についてはまったく頭に無かった。

 さてね、今とりたてて急ぐ用事が無い、という方、お願いがあります。「One more time,one more chance」を聴いてくださいませんか。ふいに消えた6432の鼓動のために、そして様変わりしてしまった町並みを歩いていても、ふっと、いるはずのない人のかけらを捜してしまう残された多くの人たちのために。 1月17日です。

でも最近「神戸の地震被害が大きかった地域にも桜木町という町名がある」ということを知ったのだ。噂が長い年月、否定されても根強く語り継がれる理由はこれかもしれないな。でもねー、「絶対いるはずの無い場所でも探してしまう」というところが哀切な所以であるのだ。彼女から遠く遠く離れた場所が桜木町であるということなのだ。神戸に桜木町があるから「One more〜」は震災で失った彼女の歌なのだというのは、思いっきり早とちりであるな。