Me & My Degu

デグーとの暮らし、日々のあれこれ

教育学部美術科

図画工作の指導についてのエントリーがホットエントリーになっている。

例えば小学生の時。絵を描きましょう、なんて時間になったとき。先生は、何も言わない。ただ、校庭に出て、好きな物を見つけて、それを一生懸命描きなさい、心をこめて描きなさい、って言うだけ。

んなさ。心こめて描けっていってもさ。
(略)
もっと、漠然とした「絵を描きましょう。作文を書きましょう」とかじゃなくて、課題をしっかり与えて、テクニックをもっと教えて欲しかったよ。

もっと学校で、テクニックを教えてくれればよかったのに

え、イマドキこんな指導をする「図画工作」なんてあるの?実際こうだとしたら、ホントにご愁傷様としか言いようがないけれど、こういう指導によりできた作品って、評価も困難だと思うなぁ。普通その単元での、どこに注目して評価するか、そのポイントと評価基準があって然るべきで、こういう指導をするということは、ただ単にその先生が「イイカゲン」だったってことだけなんじゃないだろうかな。

私は、中学校では、テクニックを教えるという傾向の強い授業をしてきた。「どうすれば面相筆とガラス棒と物差しで綺麗に線が引けるか。コツは線を引いている間は息を止めることである!」「センセー、それじゃ長い線を引くときは窒息してしまうー」「息が続かなくなるくらい長い線を引けるほどの長い定規を君らは持っておらんからダイジョーブっ」てなことを言う毎日。なにをどのくらいの完成度になるまで教えていくかは、取捨選択せねばならないと思ったな。中学になるとレタリングの技術もポスターを描く課題などで入って来るけれど、明朝体とゴシック体の違いであるとか、世の中にはいろんな「字体」があるのだ、というくらい知ってればいいんじゃないか。ポスターを仕上げるとき、必要な文字を明朝体・ゴシック体で書いたプリントを配り、自分で別に字を描いてもヨシ、そのプリントから転写して切り抜いた文字を貼ってもヨシ、としたら、限られた時間数のなかでも、レベルの高いポスターが出来上がった。今じゃワードやエクセルでちょっとマシな「お知らせ」やら「ポスター」がすぐできてしまう時代、もっと「進んだ」指導法があるのかもしれないな。
id:sukebeningenさんのブクマコメに反応。

sukebeningen 学校の先生になるのは美大ではなく一般大学の教育学部(美術学科)がほとんど。だから絵はあまり描けないし、アートも全然理解してない。/つまりアートから一番遠い連中が学校で生徒たちに絵を教えているの。

http://b.hatena.ne.jp/sukebeningen/20080824#bookmark-9750436

私は教員養成系の美術学科出身なので、自分のこと、周りの友人達に照らし合わせての意見だが、このブクマコメには同意できない。己がアートするということと、学校で生徒に教える、ということは少々違うのではないか。はじめから専攻を決めてそれを極める美術大学と違って、教育学部美術科では、油絵もデザインも彫塑も金属工芸も陶芸も全て履修する。授業で教える可能性のあるものは、みな実際にやってみる。4回生になったら専攻を決めて卒業制作をするが、それまではいろんな分野を体験する。それが教育学部の美術学科だ。教えるべき「美術」というカテゴリーのなかには、いろんなものが含まれているのだから。またそして、私の周りでは、アートを全く理解していない、絵はあまり描けない、と言う人はいなかったけどなぁ。卒業後30年近く経ってアートから離れてしまった生活をしていても、そのコトに対して忸怩たる思いを抱えて生きている人達に会ってきたばかりで、ちょっと気になった。sukebeningenさんがこのように切って捨てるようにおっしゃることは、お知り合いの教育学部美術学科出身者がたまたまそうだったっだけで(あるいはお知り合いを通じてのお考えではなく、印象でのご発言か?)、一般化しないでね、ということで。