Me & My Degu

デグーとの暮らし、日々のあれこれ

街は雨季

なんとか仕事にキリをつけ、会社を出て電車のホームにたどり着いたらもう8時、前のパート先の次長にばったり会う。次長は単身赴任でこちらに来ており、なにかお総菜のようなものがはいったスーパーのビニール袋を提げている。前の会社には1年ほどいたが、次長は最後まで私ともうひとりのパートさんと名前をごっちゃにしてはったな。辞めた途端、朝のホームで時折一緒になるようになった。あれ次長、同じトコに住んではったんですね。私はあそこに見えるマンションです、僕はあっちの公園の向こうっかわのマンションなんですよ。なんとなくお喋りしながら電車に乗る。同じ駅で降りて、「いってらっしゃいませ」と別れる。で、今日は帰りが一緒になったというわけ。また、なんとなくお喋りしながら一緒に帰路につく。「遅くまで仕事なんですね」「展示会があって、それの残務整理がありまして」てなことを話する。「ファッション関係ですか。僕の息子も今デザインの勉強をしていて、ドレスをつくったり紳士ものの服を作ったりしているんですよ」なんか不思議。今までほとんど毎日仕事場で顔を合わせていたがなにも相手のことを知らなかったのに、辞めた今、たとえば次長は息子さんにねだられて工業用の高いミシンを2台も買わされたことを知っている。改札を出て「お疲れ様でしたー」と別れる。きっと、帰ったらその総菜を電子レンジでチンして、TV見ながら食べはるのだろう。
駅を出たらスゴイ雨。車道には水が溢れ、側道を歩いていたら走ってきた車にしこたま水しぶきをかけられた。
NHKの9時からのニュース番組で、「大学で死生観を学ばせている」というのをやっていた。だらだら食事が終わらない長男とボンヤリ見る。ありゃ君んトコやん。学生には、まず自分にとって大切なモノを12書き出させる。え、ちょっとまって、あれれれ、12もないよ。子供らの名前は書くとして、もともとお金ないし名声もないし、美貌もないし特技もない。健康とかかな。ま、とにかく12書いたところで、今度は自分が癌で死にゆくのだと想像する。で、死んでしまう日までのカウントダウンをするワケだが、そのなかで、日を追うにしたがって、幾つかずつ書き出した「大切なモノ」を破いて行くという授業。いよいよ死ぬというときに、最後に残ったひとつを破くのだ。最後のひとつが「母」である学生が過半数、と言っていた。えー、そうなんだ。自分だったら最後の一つはなににするかねぇ。「デグー!」というと長男があははと笑う。え、だって、「母」は自分が死んだとて生きて行くだろうが、デグーは私がいなくなったら死んでしまうかもしれんじゃないの。ん?なんか考え方違うのかなー。