Me & My Degu

デグーとの暮らし、日々のあれこれ

すみけんさんの「初音ミク講座」

白髪の目立つお年頃

昨日初音ミクについて、作品をぱっと聞いた印象を書いたのだけれど、そりゃ違うよというところもあったようで、すみけんさんがbbsで初音ミクについて説明してくださった。素晴らしい解説なのでこちらに転記。すみけんさんありがとうございます!さすが、お詳しいです!以下、すみけんさんの門外漢用「初音ミクってナニ?」

http://www.nicovideo.jp/watch/sm1085336
いろんなジャンルがいっぱいありますよ

本家のサンプルもどうぞ
http://www.crypton.co.jp/mp/pages/prod/vocaloid/cv01.jsp


> それと、当たり前だけれどブレス音が入らないのがいい。

それは 作った人が入れてないだけで、ミクの特徴はブレスだったりします。ブレスと子音つなぎが自然にできるのがミク(vocaloid2)の最大の特徴。
でも、使いこなすのは難しい。当たり前ですが、「歌う」ことを技術的に記述できるひとにしか使いこなせません。同様に、ギターの打ち込みはギターの指運やフレージングを分かっていないとギターらしくならない。サックスでもピアノでも同様。
(アコギだとミュートのカッティングや弦スライドノイズ音を入れたり、エレキだとフィードバックやピックミスやハーモニクスを入れたり。でも、適切に入れないと おかしなギターになります。)

ギターやサックスの打ち込みは、それに応えてくれる音源が古くからありました。ボーカルにはそれがなかった。「アーー」だけならともかく、全部の子音・母音、さらにそのつなぎ、音程、すべてを自然に再現するには、サンプリングの数と制御ソフトに相当の鍛錬が必要です。

実際にはvocaloid1(3ボイスあります)でも相当できるんですが、ミクは独特の「抜き声」を出せて、標準でビフラートが聞こえやすいボイスになっている+ああいう絵がついたので、バガっと人気が出たです。


>どちらもまったく熱を感じさせないから

ミクのレベルであっても、音色の強弱変化までは補足できていません。たとえばピアノだと強く弾くと箱鳴りがしたり、ギターだとピッキングノイズが混ざったり、音源が追随してくれます。生ボーカルだと、しゃがれたりシャウトになったりいろいろ変化するんですが、ここをフォローするにはまだいくつかの段階が必要なんでしょう。たぶん。

ただ、どんな楽器も(ミクも楽器です)、その楽器がよく鳴る部分を把握して演奏するのが大事。エレピが生ピアノではないように、ミクも生ボーカルではないですから。

んでまあ、最初に火をつけたのがコレです。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm982882
音楽はピコピコですけどね。言葉のつなぎを聴いてやってください。うまい。

ニコニコの「人気」は動画としての人気なので、音楽というかミクの打ち込みの出来不出来とは無関係で、ミクのよさが出ていない歌もたくさんあります。

てきとーに打ち込むと、つなぎも不自然だし言葉もつながらないし…というクオリティにしかなりません。そのへん、ギターの打ち込みと同様に捕らえてあげてください。


キーボード弾き・打ち込み派はみな理解していますが、音源というのは ただの「音源」にすぎず、それを加工するのがミュージシャンであり エンジニアです。次の人は、ミクのうちにさらにフィルターをかけて、最近のテクノてくのにしてます。…perfumeというアイドルがいまして、それそっくりにしてあります。曲はオリジナル。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1136355
同じ曲のフィルタなし(素)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1149508


JR電車音とかもありますよ
http://www.youtube.com/watch?v=rkJL2SYY3X8
こういう遊びをやっているひともいますです。


http://www.nicovideo.jp/watch/sm1274898
これは 自然なポップスバンドの音ですな。

ミクにも「出せる音域」があって、そこをはずすと素っ頓狂な歌になりがちです。やはりそこを守ったものがキレイな歌に聞こえる。(ただ、このひとはオクターブパッセージを使っていて、それがちょっとミクには辛そうだ)

これは大事で、サックスプレイもテナーの音色でもテナーの音域をはずすとまったくテナーに聞こえません。

そっか、「ブレスと子音つなぎが自然にできるのがミク(vocaloid2)の最大の特徴」なんだー。これがあるから、昔fmOSAKAでやってた「デジ太郎・デタ次郎」にはならないわけですね。途中リンクしてくださった曲、ちゃんとミクさんブレスしてました!「ミクも楽器です」という一文で、理解が進みました。なるほどなー、だから、「歌う」ことを技術的に記述できるひとにしか使いこなせない、のですね。最後のリンクの曲、おぉ、こういうテイストの音もできるんだ。こんなカンジのものができるのなら、今まで考えるだけで実現できなかったアイディアが試せるぞと思うミュージシャンもたくさんいるのではないかなぁ。

参考リンク 「じゃあ、ミュージシャンは初音ミクをどう思っているのさ?」 「今、初音ミクが熱い(さまざまな意味で)」

で、あにきさんですよ、あにきさん。

ガールポップはねえ、やっぱりPOPS好きは一度は通る道なんよ。


むかしむかし、83年に、まだ雑誌記者だった小西康陽くんが僕らをインタヴューに来て、僕とガールポップの話で盛り上がってね。ロネッツフィル・スペクターの影にいた作家陣のいた音楽出版社があった界隈をティンパンアレイと言ってたんやけど、その中では誰が好きか、とかで異様に盛り上がって。んで数年後、彼はピチカートで出てきた。同い年なんよな。


シトロンは、ガールポップをやりたくて作ったようなもんで、だから僕の作品を色々試してみたい場所やったんや。当時そんなこといっても周りには理解者がいなかったから理屈は飲み込んでたけどね。

てなくらい、ガールポップに造詣の深い人が、過去のオリジナル作品を(や、別に過去の作品だけじゃなくて新作でも)こういうツールを使って聞かせてくれたら楽しいだろうな!