褒める練習

誰かのいいところをさっと褒めることができたら、素敵だろうなと思っている。下心があるのではないかと勘ぐられたり、冗談と取られたりするようなことなく、相手のいいところを掬って言葉にして伝えることができたら良いなと。人格的なことに対してコメントするのは不遜なこともあるので、あまり親しくない人に対しては、外見的なことででも褒めることができたら良いなと思う。
いつの日かいやみ無くそういうことができるように練習をしている。レジを打ってくれる店員さんに心の中で「ハッキリした口調で楽しげにレジを打ってくださるので、仕事の疲れが和らぎます」と言う。あるいは「綺麗な肌でうらやましいです」とか。電車の中でも周りの人を一人ずつ心の中で褒めていく。「その紺のブラウス、流行の取り入れ方が程よくてセンスがいいですね」「ペディキュアの色と良くあっている赤いサンダルがかわいいですね」「日焼けに気をつけておられるんですね。見習いたいです」「まつげがくるっと長くてとっても素敵」「その携帯、いいデザインですね」「髪型がお顔立ちに良く似合っておられますね」
そういえば、いつも女性専用車両に乗るので、女性のいいところをピックアップすることには随分慣れてきた。モンダイは男性だな。男性を褒めるのはなかなか難しい。まず夜遅くにレジ打ちしている男の子のバイトから練習を始めよう。「涼やかな目元が凛々しいですね」「格好の良いメガネですね。横から見たところが特に」「指が長い綺麗な手をしてはりますね」
今度は電車も普通の車両に乗り込んで、世の殿方を褒めることにも挑戦しないといけないな。電車に乗っている時、視線を感じて振り返るとコチラをじっと見つめてぶつぶつ呟いている、そんなおばさんを発見したら、それは私です。