Me & My Degu

デグーとの暮らし、日々のあれこれ

「クリスマスの約束2006」を観た!

せいいっぱいの人生の歌を聴かせて♪

いやー、良かったなー、「クリスマスの約束」。斉藤哲夫さん素晴らしい!ちょっと太りはったかな?このところの斉藤さんは、ああいうぶつっと切って歌うのがマイブームなのかしら。あー、もうちょっと伸ばしてー!と思ったな。見ていて引っ掛かったのは、小田和正さんの「上から目線」。なんで小田さんは「斉藤君」「あいつ」で、斉藤さんは「小田さん」なの?そりゃぁ実年齢は斉藤さんの方がちょこっと若いとはいえ、斉藤さんのキャリアと「二人はそんなに親しくない」ということを考えると、斉藤さんファンとしてはちぃと面白くないゾー。小田さんって「タメ口人生」の人なのね。もちろん、一人でのインタビューを見ると斉藤さんへのリスペクトはガンガン感じたけれど、やはりちょっと礼を失しているようなステージでのMCだったなー。その気は無いかもしれないけれどエラソーに見えてしまう人と元来謙虚な人。
生田敬太郎&斉藤哲夫一通り見ての感想。やはり「悩み多き者よ」と「グッド・タイム・ミュージック」は別格の歌だ。小田さんの琴線に触れた歌、ということでカバーされたりコラボレートされたりした歌は、私には(私にはですよ?)なにも響いてこなかった。あー、うまい事出来てる流行り歌ね、という軽さ。35年先まで人の心に残っているかな?
一時、FM802がとてもコンセプチュアルなイベントを大阪城ホールで主宰していたことがあって、たとえば自分の持ち歌は歌わない、リスペクトする日本の名曲を歌うというコンセプトの「JAPANESOUL」であったり、ビックバンドの楽しさを前面に打ち出した「ナニワ・サリバン・ショー」などが忘れられないのだけど、GOLDEN J-POP/THE BEST 斉藤哲夫そうなるとまたまた「自分がもしそういうのを企画するとしたら…」と妄想してしまう。まだまだ若い人に知って欲しい名曲、スタンダードナンバーになるべき曲が一杯あるぞ、「JAPANESOUL」の続編があったならどうするかなー。オープニングはやはり斉藤哲夫さんの「グッド・タイム・ミュージック」しかないでしょう!場内暗い中、あの冒頭の♪グッタイムミュージーック!♪というコーラスがばーんと響いて、カッと照明がつき、そうして始まるもの悲しくも壮大な「音楽への愛の歌」。でもこれは本当に脳内で妄想するしかないなぁと思っていたのだった。なにせ、この「グッド・タイム・ミュージック」という歌の世界の再現は、そのスケールが大きすぎてなまじっかなことではムリだという事がわかっていたから。でも今回このような形で、ストリングスがつきコーラスがついて、そうして広い会場で歌われる事で、この歌の世界がまだ知らない人に届けられたことが、嬉しくて仕方が無い。願わくば、ラストのコーラス、もっともっとがーんとキて欲しかったなぁ。メインボーカルを凌駕する勢いで「グッタイムミュージック!」と畳み掛けて欲しかったーー!
URC シングルズ(2)そうして、斉藤さんのコーナーが終わった後に小田さんが「俺の音楽をやってきて良かったっていう一言より、あいつの一言を若いミュージシャンに聞かせたかった」と言わはったことがじーんときた。「今の君はピカピカに光って」「悩み多き者よ」「グッド・タイム・ミュージック」の3曲は、まさに紆余曲折の斎藤さんのミュージシャン人生を象徴する3曲だ。自分の本筋で無い「ピカピカ」が「代表曲」であるという運命、「悩み多き者よ」という名曲をあまりに若くして作り出してしまったがためにそののち「歌う哲学者」というレッテルに縛られることになる運命、しかしいろんなことを超越して「グッド・タイム・ミュージック」は「音楽への賛歌」として輝いているのだ。君は英雄なんかじゃない一時は音楽から離れご実家のお手伝いをされたりトラックの運転手をされたりしておられたようだ。2001年、ヒポポタマスで私は初めてナマで斉藤哲夫さんの歌を聴いたのだが、その時は倉庫の管理・警備のお仕事の合い間にLIVEを続けておられた。今も同じお仕事してられるのかしら。夜勤に間に合わなくなるため、LIVEの時間が押すとアンコールが取りやめになることもあったみたい。「音楽をやり続けていて良かった!いろいろ悩む時も音楽に助けられた」 ホントに、売れる売れないに関わらず、自分の音楽をやり続けていく事、納得のいく作品を作り出すこと、それが音楽家にとってどれだけ幸せなことであるか、斉藤さんはおっしゃったのだと思う。いろんな個人のシガラミを超えてぽつんと「グッド・タイム・ミュージック」という曲は、輝きながら宇宙に浮かんでいる。斎藤さんがどんな人であるか知らなくても、当時どんな背景があったのか知らなくても、この曲は聴いた人の心を震わせる。

あ、あ、あ、j-45さん、最後もばっさり切ってしまいはった?http://d.hatena.ne.jp/j-45/20070110 私は番組の最後にもじんときたのですけど。

久しぶりの再会はエネルギーになりました。歩んできた道は違っても同じ音楽仲間。まもなく60歳を迎える小田さん。今日のコンサートを支えてくれたのはかけがえの無い音楽仲間達、そうして彼らが生み出す音楽。
いつもそばに音楽がある喜び、音楽に支えられてきた人生。
グッド・タイム・ミュージック。それを伝えるために小田さんは走り続けます。さぁ皆さんも一緒に!

番組のエンディング、アルバム音源の「グッド・タイム・ミュージック」がBGMで流れる中、お互いを称えあう斉藤さんと小田さんの映像に、このナレーションが重なって、やはり「クリスマスの約束2006」は、斉藤さんとの2曲(2曲半?)があったからこそ「伝える」というテーマは成立したのだなぁと思ったのだった。聴き手に、そして作り手であるミュージシャンに、「音楽は素晴らしい」というシンプルだけど偉大なことを伝えることができたのだ、と。

「GREEN DAYS 〜緑の日々〜」さんに今回の「クリスマスの約束」感想がトラックバックにより集められている。http://blog.livedoor.jp/greendays1/archives/2006-12.html#20061229 私も末席に加えていただく事にする。おじゃましますー。

クリスマスの約束2006」補足→http://d.hatena.ne.jp/cocoanuts/20070112