Me & My Degu

デグーとの暮らし、日々のあれこれ

ゴージャスな夜

昼休みはずっと続かない

カンタンな線でくるっと絵を描いただけで、その人が「洋画」を描いている人か「日本画」を描いている人か「漫画」を描いている人かあるいは普段全然絵を描かない人か、なんとなくわかるものだ。同じように、シンプルな構造であっても山崎まさよしの歌は「洋楽」の方向を向いているのがよくわかるところが好きだ。「やわらかい月」などの日本情緒溢れる曲であったとしても、じめじめした歌謡曲っぽいところがない。だから全編ストリングスが入っても「豪華歌謡ショー」にはならないんだろうな。そこにあったのはまぎれもなくROCKだったし、POPSだったな。
山崎まさよしのアリーナLIVEを見に大阪城ホールに行った。すごいものを見せてもらったと思う。行くまではストリングスが入ると聴いて、だらーっとしたものだったらやだなと思っていた。だって、ほら、ストリングスが入ると音の最初と最後の輪郭がぼやけてしまうってことがよくあるもの。でも今回はそういった音のにじみがなく、きりっとした弦の音が絡まりあいながらカタチを瞬時に変化させ、山崎氏の歌の背景をダイナミックに織り上げていた。「めくるめく」とはこのことだな。服部氏と彼のストリングスの勝利だと思う。「僕らの音楽」でオーケストラと一緒にやったのをTVで見たが、そのときはそんなに感動するようなこともなかったから、ナンでもああいうのが入ればいいってわけではないのが良くわかった。
今日の一曲は「水の無い水槽」。もともとこの曲の歌詞が好きではない。羅列される言葉がどうにも「置きにいった」というか「あうものをひねり出した」というか、イメージの噴出するスピードのようなものが全体から感じられないのがその理由。今回畳み掛けるような重層的な弦が、その慎重に選ばれた細かい場面ひとつひとつをものすごく堅牢なカタマリに作り上げていく。息苦しいほどの緊張感。そして最後の「僕らは抱き合ったまま」からのところで、その積み重なって巨大化したものがそのまま体をどーんと突き抜けていくような、ものすごく大きな開放感のようなものを感じた。これが「カタルシス」というものなのかな。
素晴らしい夜だった。素晴らしかった。けどね。あぅー、堪忍してほしい、あのアンコールを待つ時の「山崎まさよし ちゃちゃっちゃ ちゃっちゃっ」コール。このLIVEの内容にちぃとも呼応してないやないの。んもう、感動二割減!!!
あにきさんもこのLIVEに行かれたそうで。「聴く耳」を持った人の感想がこちら。なんかあの「山崎まさよし ちゃちゃっちゃ ちゃっちゃっ」コールをあにきさんに聴かれてしまったかと思うと、めちゃくちゃ恥ずかしいんですけど。えーっと、みんながみんなアレをいいと思っているわけではないですからねっ、わかってくださいね。ってなんでこんなこと弁解せにゃならんのかなー