Me & My Degu

デグーとの暮らし、日々のあれこれ

カバー集

もうすこしナンとかならんモノか

山崎まさよしトリビュートアルバムが出るそうな。
元ちとせと杏子が参加していることで興味が一気に半減してしまうのは私だけではありますまい。トリビュートの楽しみって、え、あの人がこの曲を!という意外性が大きいと思うのだ。同じ事務所のこの二人の参加でどうにも「お手盛り」感が出てしまう。なによりこの二人とbirdの場合は「楽曲提供」に当たるわけだし。
一番「ソレは違うやろう!」と思うのは、クレモンティーヌwithソリタの「ふたりでPARISに行こう」。あのね、この曲のドコが素晴らしいところなのか、なんにもワカってないんとちゃいますか?この曲は「日本人が歌う必然性がちゃんとあるシャンソン」というところが画期的なんですよ。シャンソンって、いくら雰囲気をアンニュイにして「♪シャンゼリゼよ〜」と歌ってもナカミは日本人、このあたりにどうにも「借り物感」を感じてしまう人は多いのではないかしら。私はHIPHOPのミュージシャンにも同様な気恥ずかしさを感じてしまう。広く捉えればROCKやブルーズを日本人がやるってのも、借り物ではない、血肉化したものにする長い試行錯誤の連続があってやっとココまで来たわけだし。で、「ふたりでPARISに行こう」は、ありふれた日本の下町風景と頭の中の願望の絵葉書PARISを対比して見せることで、夢見る日本男児の愛すべきシャンソンが奇跡的に成立しているのだからして、それを小粋なパリジェンヌが歌っても意味がないのだ。この曲ってシャンソンっぽいから本場の人に歌ってもらって、みたいなところから来た企画ならば安易この上ないと思う。
んー、トリビュートを出すのはいささか時期尚早ではないかなぁ。「弾き語り」というLIVEのスタイルの独自性はぼちぼち認識されてはいるだろうが、楽曲だけを取り上げて「これが山崎まさよしだっ!」という確たるものを、今はまだ知らしめてはいない段階なのではないか。というか「良質のリトルソングがかける人」というのがワタシにとっての「山崎まさよしの独自性」なのだが、残念ながらその系統では「セロリ」が唯一のヒット曲だし。
しかし、トリビュート盤を出そうぜ、という企画を出してきたのはドコなのかなぁ。事務所なのか、それともエピックなのか。そうして山崎氏本人の意向はどうなのだろうか、ううーん、謎だ。