君は君らしくあれ

そうだ、あのペンダントを探さなきゃ。ペンダントトップはアルトサックス、チェーンも細かくフラットな鎖で好みだった。若い頃デパートの売り場で見て、すぐに気に入って初めてのボーナスで買ったのだ。ちゃんとしたゴールドだったから割といい値段した。今度のLIVEにしていきたいな。しばらく前に宝石箱の中には無いことに気づいていた。探さなきゃ。
どうにもだらしない性格なので「すぐに所定の場所に戻す」ということがニガテだ。きっと、どれかのハンドバッグのポケットだな。出先で取ってそのままなんだ。洋服ダンスからバッグを引っ張り出して調べていく。ないなぁ、こっちのにもないし。久しく使っていないバッグのくたびれ加減にげんなりしながら調べていく。最後に手を突っ込んだコーチのショルダーのポケットから無事ゴールドのペンダントは救助されたのだった。やぁやぁ、良かったー。
実は一年ほど前からずっと探しているものがある。アレはどこにやったんだろうか。今切実に欲しいのだが。最初はまたいつものおざなり癖で鏡台の右の引き出しにずっと入れていたのだった。しかし貴重なもの、こんなところに入れていたらパウダーでもかかったら汚くなってしまう。という気持ちになって、多分もっとキレイに保存できるところに移動させたんだと思う。あるいは誰かに上げた？んー、多分違う。この家のどこかにあるはず。時々思い立ってココかなソコかなと探すのだが、いまだに見つからない。こんなことならおざなりはおざなりなりに、ペンダントみたいに「探したら出てくる」ように、ちゃんとしたところにしまいこまなければ良かったな。教訓。おざなりな性格のヤツはちゃんとしようとしたらダメ。