Me & My Degu

デグーとの暮らし、日々のあれこれ

香港で物見遊山 2日目

香港島

6時半起床。カーテンをあけると窓からはすかいに見えるはずの香港島は一面の朝もやで隠れていた。大丈夫かなぁ、天気。かさ持っていこうね。支度をしてロビーに下りる。昨日はパンツだったが今日はスカート。二人とも昨夜買った靴&ミュールで出かけることにする。
ほどなくバスがやってくる。おはようゴザイマース。朝食の「中華粥&点心」のお店へ。ピータンの入ったお粥には揚げパンをぐちゅと突っ込んで食す。点心は、あれ?点心食べたんだよね?どんなだったかな?全然思い出せず、つまりはまぁそんな程度のお味だったのでしょう。中華粥も、神戸で食べたらしっかりおだしが効いていて香菜なんかのアクセントもあってどんどん食べられるのだが、なんだか味が薄すぎて残してしまう。んー、なんだかなぁ。
さて、海岸べりの香港スターの手形があるところを散策した後、バスに乗って香港島へ。一山超えたレパルスベイという浜辺のあるリゾート地域に行く。またしてもお寺見学。どこだっけ。極彩色に彩られた大きな観音様やら象やら。この神様をなでると金運がよくなりますよ、はいはいなでなでしときます、次男よ公立受かってくれー。水が張ってあるお賽銭箱のようなもの、上からコインを落として底に書いてある区域にのっかったらその方面でイイコトがあるそうな。やはりここでも「財運」めがけて投下するもヒラヒラ舞って落ちていくコインは「旅行」の上に乗っかったのだった。まぁいいや。母は余白の上に着陸、スカですかー。

バスに乗り香港島の中心部へ。イギリス統治時代の名残の建物をいくつか観ていく。ビルに囲まれてひっそり建つ古い西洋建築。あぁもうちょっとゆっくり見て行きたいな、柱や壁にしみこんだ古い空気を味わいたいなと思うが、どんどん先に行ってしまうガイドさん。石の列柱の立法局をバックに写真なぞ撮る。このころにはすっかり晴れ上がり、雨の心配はしなくてよさそうだ。二階建てのトロリーバスに乗り移動、さぁ次は虎の穴、「貴金属店・シルク店・革製品店へご案内」である。

シルクの店には「アユサンも来ましたよ」ということで浜崎あゆみ嬢がソファでくつろぐ写真なども玄関に掲げてある。「アユサン」って誰のことか最初わからなかったので写真見て納得。中に入ると広い店内に客はおらず、店員がべったりはりついて「コレはどう?アレはどう?」と勧めてくる。ひょえー。弁の立つ日本人の店員さんが「シルクのマッサージタオル&フェイシャルパフ」のセットを強力に説明販売。ひー、誰か買ってくれー、でないと出られないんじゃないでしょうかー。と心配していたら、おぉ、ばあちゃん買うのか。あの人へのお土産に。あぁ、なるほどね。九州グループもお嬢さんがあれこれとご購入のようす。よかったよかった。私はなにも買わないぞと思っていたのだが、母と「2枚で100HK$」というシルクシフォンのロングスカーフを分けることにする。一枚700円か、今日のところはこの辺で許してね。

次に連れて行かれた貴金属のお店は沢山の観光客であふれていて、先ほどのシルク店のようなプレッシャーは薄い。インド系の観光客が多かった。みな熱心に見ている。ホント、ちょっとショーウインドーのぞいたら「あれやこれやなんかかんか!」と矢継ぎ早にセールストークするので、んー、それって日本人には逆効果なんじゃないかなぁ。さきほど素晴らしい購買意欲をみせていたお嬢さんも、なんだかゆっくり考えさせてくれないからもういいですー、とおっしゃる。
次は革製品の工場直営店のようなところ。今回私は財布が欲しいなぁと考えていたので真剣に物色。別にブランド品じゃなくてもいいのだ、気に入った形なら。ということで財布を見るが種類が少なくカードの向きや外ポケットの仕様など気に入るものが無い。残念でした。ふと後ろを振り返ると、あれま母が大きめの手提げバッグを買おうか悩んでいる。おぉぉ、ばぁちゃんまた買うのかい。どう思う?コレで6000円は、うん、安いかも。日本じゃもっとするよ、ということでお買い上げ。いいお客さんだなぁ。

バスに戻り食事場所に向かう車中で今度はガイドさんが物を売る。フカヒレスープのレトルトやらマンゴプリン、そして漢方入りの黒真珠美顔クリーム3個セット。今注文していただくと明日出発前にお届けしますので。これからご希望を伺います。九州チームはスープやマンゴプリンをいくつか頼んでいる。結構なお値段だけど、頼まはるのね。あれれれ、どうするの、なんにも買わないと気まずいかなぁと悩んでいると、「あ、私クリームのセット一つね」と母。またしてもばぁちゃん買うんですか!だって三つで7000円って安いじゃない。んー、ナニと比べるかにもよると思うけどなぁ。使い心地知らずによう買うなぁー。ギャンブラーだなぁー。まぁ「いいお客さん」でよかったよかった。

食事は我らと九州チームは別の場所、ガイドさんは忙しい。九州チームをコッチのレストランでおろして説明、そして我らをアッチのレストランで下ろして説明せねばならない。それが面倒なのだろう、明日の昼のレストランの場所を変更して九州チームと一緒に四川料理にしてはどうかと持ちかけられる。が、明日の昼はそれはそれで楽しみにしていた「糖朝」だったのでお断りする。
我らはロイヤルガーデンホテルのレストランで飲茶。飲茶といっても、もうコースのように出るものは決まっていて、座るとソレがどんどん出てくる。四川スープが美味しかったな。料理のコンテストで金賞をとったという卵白と伊勢海老の焼きそば、どうかねー、ちょっと寝ぼけたような味だけど、これが金賞なのね。卵白の炒め物は昨夜の北京料理店でも出たが香港で流行なのか。いいじゃない、コレ。え、そうかなぁー。だって黄身が無いからコレステロールの心配しなくていいもの。あぁ、なるほどね。小さな蒸籠登場、こういうので出てくると飲茶気分が盛り上がるなぁ。中に入っていた海老餃子&海老シュウマイ、大変おいしゅうございました。デザートはマンゴープリン。おぉ、これが香港名物マンゴープリン。ハート型にできている。
食べていると午前中同行したカメラマンさんが、撮ったショットを飾り皿に焼き付けたものと、アルバム仕立てにしたものを持ってくる。出たなー、こういうのドコのツアーでもあるよねー。皿は困ってしまうので辞退、アルバムだけ買うことにする。日本円にて支払い。いくらだっけ、結構いい値段したな。しかし行き場のなくなったあの皿、どうなるんだろう。やはりすぐに割られてしまうのか。ちょっと不憫。

食事の後またホテルへ送ってもらい、部屋で一休み。さて午後はどうしようね。すぐ近くの美術館で印象派の展覧会をやっている。建物に大きな「笛を吹く少年」の絵が描かれた幕がかかっている。ねぇ、アレ行ってみようよ。そうやねそうしよう。地下道を通って美術館へ。美術館は結構な人。入場を待つ列が出来ている。並んでいる人はほとんど中国の人達のようだ。前でなにやらおもちゃっぽいものを並べている露天商も手書き看板は中国語。人民元でOKと書かれた紙も貼っている。日本語も聞こえてくるが、話の内容から推測すると現地法人などで働いている家族のようだ。
入場料は20HK$。ドガの踊り子達の練習風景の絵がチケットになっている。ビニールでできたカード入れもオマケにくれた。これもチケットと同じドガの絵。こんなん日本で行ったら800円くらいはするよね、などといいながら入場。「笛を吹く少年」がお出迎え。プラドで見たよ、こんなところで再会するとはねー、と母。プラドだったっけ。じゃ私も見てるはずなんだがな。貸し出しの説明用ヘッドセットを使って見る人がなかなか先に進まないため最初の部屋はすごい混雑。隙間より鑑賞。最初の部屋あたりはムチャ混みで段々空いてくるのはどこの国の展覧会でも同じだな。なかなか充実した内容の展示だった。印象派の画家の有名どころがまんべんなくやってきており展示品も厳選されているので印象派をごそっと味わうにはとってもいいんじゃないだろうかな。やっぱりね、ルノアールってイイわ。みんなバカにするでしょ、ルノアール。でも実際見たらイイんだって。モネも数わりと来ており大聖堂の絵が昼と夜並んで展示されている。展示作品の説明は英語と中国語。私の美術の知識と母の英語力をあわせて「つまりそういうことなんですってー」てなことを言っているうちに出口に。
そのまま進むと教育ゾーンへ。生徒学生用に、先ほど見た展示作品の複製やらいわゆる印象派の超有名作品の複製を使って「印象派」の成り立ちと発展・及ぼした影響を、説明を多用し、またコーナーごとにカフェ風にしたりの企画構成でレクチャーする展示になっている。ここでは写真撮影OKで、サロン風のしつらえになっているゾーンでほっこら座ってちょっと記念撮影など。満足して美術館から出ると、おぉ、外にはこれから入らんとする高校生の一団がギッシリ並んでいる。校外学習だろうか。これだけの内容だったら、そりゃ中学生高校生の遠足コースに最適よね。よかったー、いいタイミングで。この子らと一緒だったらゆっくり見られなかったよね、きっと。

これからどうする?まだ時間あるよ?でも母はすこしお疲れ気味。夜行く所の下見して、それから部屋でちょっと休みたい、ということでニューワールドルネッサンスホテルのあたりへぶらぶらと。とはいっても、美術館と同じ海際の道ならびにあるのでスグについてしまう。朝来たトコと同じ場所。ここやん、スグやん。ホテルの入り口はショッピングセンターの中にあり、向かいはカシミヤの専門店。キレイにディスプレーされたウインドーに「50%OFF」の文字が躍る。わー、半額だってー。これカワイイよねー。黒のハイネック、糸の切り替えとステッチでできたアーガイル模様のパターンがアクセントになっている。安くなって、7000円かな。カシミヤでしょう?いいよね、洒落てて。ううーむ。悩む母。おぉ、また買う気ですねっ!ちょっと考えてみる、また来るし、ということでホテルに戻る。

足湯を使ってほっこらし、部屋の湯沸しで紅茶を入れて休憩。ちょっと昼寝するという母を残して一人でふらふら出かけることにする。まずは隣りのペニンシュラのアーケードへ。昨日建物のディスプレイ見てビックリしたヴィトンのさくらんぼ柄ってホントに作っているのね。この小さなさくらんぼ柄のハンドかわいいなぁ。遠目に見たら赤い水玉のように見える。買えたら嬉しいけれど、今の生活ではそれは高望みというものよね。分相応で生きなくちゃ。なによりヴィトンってなんであんなに爆発的に高いのだ。ぶつぶつ言って自分をなだめる。
ペニンシュラブティックにてお土産を物色。ラタンの丸い籠に入ったヌガーがとても洒落ていていいのだが、ちょっとかさばるよね。結局お舅さんお姑さん用にクッキーを購入。あ、ジャムにすればよかったかなっ。レジの横にサテンの生地にペニンシュラの絵が入っている小さな巾着が盛ってある。緑の生地に絵と紐は金色だ。中はヌガーが2個、あ、かわいいな、この巾着が欲しい。昨日買った練り香水を入れておくのに丁度いいサイズだな。4つ買ったら1つオマケでつくそうだ。4つでなくていいの?ときかれるが2つだけ購入。いいのいいの分相応。で、買ったものを入れてくれた小さい紙袋が可愛い。なんだろな、これはきっとこの建物の破風にでもついている彫像なんだろうな、きりっとした女性のナナメ横顔がオレンジ系の濃淡でプリントされている。底や持ち手は濃茶で。コレと同じバッグがビニールコーティングされたキャンバス地かなんかで出来てたら絶対買うのになぁ。

ペニンシュラを出て海を背にどんどん歩いていく。沢山の観光客。ガイドさんが言っていたが日本人は見てすぐ日本人とわかるらしい。え、ドコが違うんですか?服装とかお化粧とか、雰囲気が全然違います。そうかなぁ、と思いながら道行く人を眺めても、インド系の人やら西洋人、フィリピンのあたりの方や地元の方はわかるが、中国の観光客なのか日本からの観光客なのかなんかは、イマイチ境目を見分ける自信が無い。そうだなぁ、どっちか言ったら中国の人のほうがエネルギッシュというか、外にほとばしるものはあるのかも。そういえばさっきのペニンシュラブティックでも、一言も発していないのに私への対応はいきなり日本語だったものなぁ。見た目思いっきり「日本人」なんだろうな、私。
てなことを考えているうちに目指していたハードロックカフェに着く。旦那様のお土産用にTシャツを購入。あともろもろ。自分のTシャツも欲しくなるがペアルックってのもなんだかなーと思い断念。今度は別の道を通ってホテルに戻る。
さぁて、そろそろ支度しますか。母は首周りにラインストーンのついたアンサンブルに着替えている。私は同じだがミュールはやめてバックバンドのヒールを履いていく。日に何度も出たり入ったりするヤツだなーとドアマンも思ってるだろうなぁ。さっき来た道をぶらぶら歩いていく。日はすこし傾きかけて、香港島のビル群をほんのすこしピンクに染めている。まだ時間あるから、海沿いの遊歩道でしばらく景色を眺めていよう。少しずつ暮れていく空、代わりにちらほらとネオンが光りだす。暑くも無く寒くも無く、風が気持ちいい。もう少ししたら夕焼けがきれいに空を染めるんだろうなぁ。でももうぼちぼち行かないと。くだんのカシミア店を気にしつつホテルへ。

「満福樓・ダイナスティ」ではコース料理を予約してもらっていた。入るとまだ時間が早かったため、人はほとんど入っていない。コースのほかに評判のチャーシューもオーダー。コースの内容はというと、あんまりはっきり聞いていないのだった。松と竹としたら竹のほう。4種海鮮料理が出てくるらしい。蟹が食べたいと母が言うので蟹が含まれてるらしい竹のほうで。
最初に出てきたのはチャーシュー。分厚く切られたそのカタマリは、ほとんど脂身が無い。でも、深い色に焼き上げられた肉は温かく柔らかく、すこし甘手にシッカリ味がついているが塩辛くないのでそれだけでどんどん食べていける。おいしいねぇと言い合っているうちに蟹のスープがきた。ふんわりと味付けられた上品なスープ。
そして次にやって来たのがアワビの煮込み。茶色のおつゆをまとったアワビを青菜の付け合せとともに一人一切れずつ取り分けると、アワビの下から出てきたのは「手」だった。おわぁ、長いぞ指が。山の手の奥様がようこそいらっしゃいましたと言う時に帯の前で組むような風情で重なっている。ううーむ、これは鳥類であるな。忙しそうに働くウエイトレスさんを呼びとめ母が「ナンでしょうコレ?」と聞くと「グース!ベリーデリシャス!」とのお答え。ベリーデリシャスねぇ。じゃぁちょっといっときますか。でも、ドコを食べればいいのやら。手羽の先端は骨ばかり、そして指?を広げると当然びろんと水かきがあるわけだが、コレを食べるのかな?ヨーシと意を決してしゃぶりつく。柔らかく煮込まれた手羽の先端は骨の周囲の筋肉部分がほろほろと崩れて口の中で溶けていく。
出した骨をきれいに並べ直して遊んでいると、次の皿がやってきた。ううーむ、ななななんでしょう、これは。白く半透明な長方形の物体が6つほど端正に並べてある。よく見たら管状のものがぺたんこになっているようである。食べてみると…不思議な食感。しょきしょきしている。動物性のもののような気もするし植物性のもののような気もするし。通りがかりのウエイターさんにまたしても「ナニコレ?」と聞いて見た所「バンブーフィッシュ!」とのこと。えぇぇ?そうかなぁ。お魚ってカンジじゃないけどなぁ。わからんわからんとモグモグしながら考える。そうこうしているうちにもうオナカは一杯なのだった。
次にやってきたのは硬い歯ごたえの麺で、スープにはエビの具が入っていた。あぁ、ごめんなさい、もう食べられないよう…半分以上遺してしまう。全体的にとっても薄味で上品な味付け、物足りない人用に、自分で好きに味を足せるように2・3種のタレを用意してくれているのがありがたい。

少しずつ遺してしまっているので申し訳ない気持ちになりながらデザートを待つ。そしてやってきたのは、食べたかった「楊枝甘露」。マンゴーのとろりとした冷たいスープの中にマンゴーの果肉とタピオカ、そしてグレープフルーツかザボンかの果肉が入っている。一口食べて二人して「おいしいねぇー!」と驚嘆。あぁ、マンゴーが甘くてかんきつ類の果肉がぷつっと噛むと酸っぱくて、タピオカがつるんとしてて、なんともはや口当たりがいいのである。こんなに美味しいのにこんなにオナカがギッシリなのがもったいない。これを洗面器一杯食べたいよう。夢中で口に運ぶ。はふぅ。もう食べられませんー、といいながら、一緒に出された焼き菓子とお饅頭に目が行く。エッグタルトのほうは崩れそうだから食べよう、ココナツがまぶされたお饅頭はもって帰ろう。こっそり包んでバッグの中へ。エッグタルトもまだほんのり暖かくて美味しかったな。

重くなったオナカを抱えてふらふらとホテルへ帰る。やっぱり二人で中華はツライものがある。子供らと来たいなぁとしみじみ思う夜だった。お風呂に入って、またしてもMD聞きながら就寝。