Me & My Degu

デグーとの暮らし、日々のあれこれ

香港で物見遊山 1日目

夜景@香港

母の趣味は海外旅行である。痴呆老人2人同時介護という過酷な生活の後メリーウイドーになったせいか、「遊べるうちに遊んでおかないと!」というのが生活信条である。スペインだの南仏だのカナダだの地中海クルーズだのタイだのミネアポリスでホームステイだのとあちこち出かけていく。
一人暮らしであるので、そうした時は私が留守宅のこまごましたこと、回覧板まわすであるとかゴミだし場所の掃除当番であるとか植木の水やりであるとかミゾのゴミ掃除であるとかを母の家に通ってやっている。「いつもすまないね」ということで、今回は私を旅行に連れて行ってくれるという話になった。家族ほったらかしでの旅行ということで近場、「香港」に2泊3日の旅である。

行き帰り関西国際空港から、朝行って夜帰ってくるパックツアーなので、2泊にしては現地ではワリと時間があるほうではないか。梅田で7時のリムジンバスに乗って関空まで。5分前にバス乗り場に着いたら満席に近い状態、最後から2番目に滑り込む。いやー、乗れてよかった。お客さんは中国からの人が多いようだった。関空のカウンターで母と待ち合わせだが時間になっても現れず。待ち合わせ時間から20分ほどしてからやってきた。母は梅田からのバスではないのだが、渋滞につかまったとのこと。これだからバスはねー。

AQUAさんに「なにかフレグランスを手に入れるつもりなら、最初に買ってそれをそのツアーで使うと、旅行と香りが結びついていい思い出ができますよ」というアドバイスをいただいていたので、さっそく搭乗までの時間に免税店で物色する。事前にAQUAさんのところで勉強してランバンのエクラ・ドゥ・アルページュか、今年の免税店限定ゲランのシャイニー・チェリーブロッサムにしようと思っていたのでそれを探すとゲランのほうはスグに見つかった。紙に吹いて嗅いでみる。ん〜?どうかなぁ。うー、どうかなぁ…シャイニーはトップに柑橘系が入っているとのことだがそもそもモトのチェリーブロッサムを知らないのでよくわかんないや。即買い!という決定力は無い。ランバンのほうを試したい。が見当たらず。仕方ないので手首にゲランのを吹いてミドルとラストを試すことにする。あぁ、いきなり計画は頓挫。そのまま搭乗。

席はなんと最後尾であった。もうあとには席はない。トイレがあるだけ。なので横にトイレ待ちの人が立つのである。やーん、やな席。落ち着かない。フライト時間が短いのが救い。安いパックツアーだからだろうかな。キャセイ航空の客室乗務員のお姉さんはみなさんスマートで美しい。が、早口の英語でナニいっているのだかさっぱりわからない。食事のチョイスを聞かれても英語には強い母でも聴き取れない。なんとなく曖昧な微笑みで応対するおばさんとおばあちゃんのコンビなのだった。かすかにわかった単語がそれしかなかったためメニューは必然的にチキンに。情けないったら。手首にふったシャイニーチェリーブロッサムはこの頃になるとほんとに「桜餅」の匂いがしている。ううーむ、これは遠慮しようかな。

香港は曇り、そんなに思ったほど暑くは無かった。出迎えの所に現地のガイドさんが待っていた。30代半ばのそつなく日本語をこなす中国人男性。ほかに同じツアーの人達が見当たらないため「何人のツアーですか?」と聞いたら「5人」とのこと。あとの3人は、違う場所からの参加なので2時間後の到着、私たちだけ先にチェックインを済ませて近場をウロウロするなりホテルで休憩するなり、で、また4時にホテルで拾うから下に出てきてくれとのこと。はいはい、わかりました。一万円分をHK$に両替してもらう。どうやらあちらの三人とは現地観光部分は同じだが食事やら宿泊場所などが違うらしい。つまりこの「ハイグレード香港」というツアーの参加者は私達2人だけだったのね。最低遂行人数。ランタオリンク展望台に寄って青馬大橋をバックに写真なんぞ撮ったりしたあとでホテルへ。

宿泊場所のシェラトンは五つ星ペニンシュラのお隣り、窓からの景色はペニンシュラの客室という部屋。夜景が拝めないのは、まその安いツアーだからねー。鏡を多用しているのはすこしでも広く見せるためか。でもなかなか居心地よいところだった。浴室はガラスのカウンター&ボウルでモダンだ。

荷物をホテルの部屋に置き、突然の2時間のフリータイム。荷物を解いたりベッドに寝転がってだらんとした後ガイドブックに出ていた老舗のお菓子屋さんに行ってみることにする。ひょえー、高いビルばっか!奇抜なデザインの高層ビルが林立している。ほえーと上ばかり見とれて歩いていたのでこの旅行中はずっと首が痛かった。お菓子屋さんはスグ見つかり、あれこれとバラで売っている中国菓子をオヤツ用として買ってみる。安い。
次にハーバーシティというショッピングセンターに行き、ロクシタンのお店へ。ミニハンドクリームの三本セットとグリーンティの練り香水購入。ぶらぶらと道行く人を眺めながらホテルへと戻る。たいていが観光客。買い物したものをぶら下げて笑いながら歩いている。積極的に幸せを味わうためにやってきた沢山の人達。

約束の4時になり下の集合場所で待っていると、先ほどのガイドさんがやってきた。どうもどうもー。小さなバスに案内される。そこで後の3人の方とご挨拶。福岡から来られたご夫婦と娘さん。キャップをかぶった無口で温和な恰幅のいいお父さん、小柄でよく気がつきそうなお母さん、ジャンパー&スニーカー姿の真面目そうなお嬢さん。お嬢さんと言ってももう30は過ぎているような。初めまして。どうぞよろしくお願いします。

これからは九龍半島の観光だ。バスの中から見る街。食べ物屋さんとブランドショップとホテルばかり。あちこちにヴィトンの店ってあるのね。ランガムホテルの近くの広い路面店は二階から上全部がでっかい大きなトランクが横に置かれたような造作になっていて、そのトランクの柄が「いつものヴィトンのあの柄」の上にさくらんぼの絵が重ねてあるもの。さくらんぼにはひとつひとつ顔が描いてあって、なんかコミックっぽい。ホンマのも顔が描いてあるん?そんなことないよねー。

最初に連れて行かれたのは「黄山仙」。背の高いビルに囲まれた大きなお寺。歴史があるのだろうなー。本堂を囲むように回廊があり、年配のご婦人が地べたに座って拝みながらおみくじが入った箱を自分で振り回し、なにやら占っておられる。願い事の数ぶんだけおみくじの占いを繰り返し、いい八卦がでるまで繰り返すので、お参りには相当時間がかかるそうだ。

またしてもバスに乗り込み移動、降りて次は個人商店がつらなる通りをそぞろ歩く。とはいっても結構な人出で、またガイドさんもさっさと歩くのでぼんやりしていたら置いていかれそうであせってついていく。
最初のエリアは「金魚街」、通りすべてが水棲動物のお店である。表に小さなビニール袋に入れた金魚をずらっとぶら下げて売っている。店の中にはきっとでっかい水槽がいくつも積み上げてあるのだろう。どの店もとても混んでいる。地元の人よね、やっぱり。金魚旅先で買う人はおらんでしょう。中に一軒だけハムスターやらウサギやらの店もあり、おぉ、と旧友にでもあったかのような気分。デグーはおらんかなー。これだけ高層化され人口密度が高い場所だと、ペットは音がしなくて場所もとらない金魚が人気なんだろうなぁ。
歩いていくうちに今度は別のエリア、お花屋さんがずらっと並んだ通りににやってきた。ずっと今度は切花、盛り花が並ぶ。たまねぎを包むようなネットをかぶせられたバラの花が20本ほど束ねられて細長い缶にギッシリ突っ込まれて色ごとに並べられている。いくらって?え?幾らになるのかな。20HK$って、んんー、そんなに安くは無いよね、香港の人は気軽に花を買うって、生活水準やっぱり高いのよ、なんて喋っていたのだが、あのね、280円やないの、アンマリ安すぎて一桁勘定を間違える二人。
そこをぬけ、またバスに乗り違うエリアに。今度は寺の境内のような場所に鳥屋さんが並ぶバードガーデン。あぁ、「香港の人たちは鳥が大好き。飲茶に自慢の鳥を籠に入れて連れてきて自慢しあう」ってトピックスをTVで小学生の頃見た覚えがあるな。くるっと見て周り、ノーチップですから、とガイドさんが教えてくれたトイレを使い、またバスで別のエリアへ。

まだ食事には時間があるから、と地元の人がよく行くと言うショッピング街へ。ここでしばらく自由行動。真っ直ぐ行ったらナイキのお店もありますよー。はいはい。実は事前にnetで天気を調べてみたらだんだんと下り坂ということなのだった。明日雨降ったらヤだね、という話をしていたものだから、母は「雨に降られてもいいような気安い靴を買う!」と言い出す。いくつか靴屋さんをひやかし、なかの一軒で柔らかいスリップオン購入。3000円ほどだそうだ。試しているのを待っている間に安くなっているベンハー型ミュール発見。コンチョ風飾りつき。160HK$が半額に。ということは1000円ちょっとか。安!私もコレ買います。見本持ってなんて言ったらいいのかなーとうろうろしていると母が「The another one,Please!」と助け舟を出してくれる。おぉ、ありがとよ、ばあちゃんっ。靴の袋をぶら下げて信号が変わるのを待っているとき、フト後ろを振り返ると角の店は「BODY SHOP」だった。ボディバター「マンゴー」98HK$なので、お買い上げ。安いマニキュア買ったりして残りの時間をつぶし、さぁ食事だー。

連れて行かれたところはビルの二階、ツアーの説明では「北京ダックと北京料理」だそうで、来る前はそれなりに期待はしていたのだった。なんといっても「ハイグレード香港」だし。でも、店到着前にガイドさんが「今日のお店は、んー、フツーですが、明日の晩御飯はサイコーですから!」と説明、一気に盛り下がる。あのぅ、私ら2人のツアーには明日の晩御飯はついてないんですけど。中に入るとお客さんはこの旅行会社が連れてきている観光客ばかり。ますます沈む。焼きそばやら卵白の炒め物やら、そして「北京ダック」などが出たわけだが、5人の統一見解は「北京ダック食べる時に包むきゅうりスティックが一番美味しかった、あれに甘味噌つけて食べたかった。次点はデザートの杏仁豆腐」。がんばってください、旅行社さま。
明日の晩御飯の予約をガイドさんに頼む。ニューワールドルネッサンスホテルの「満福樓・ダイナスティ」に行きたいんです。え、あんまりあそこは旅行者は行きませんよ、いいお値段しますよ、というのを押し切る。せっかくきたのだから美味しいものが食べたいのだー。明日昼までに予約を入れてもらうことにする。

食事後、夜景を楽しむために香港島へ移動。フェリーに乗り、夜風に吹かれながらビルのネオンを楽しむ。水際ぎりぎりにこんなに高い建物を密集して建て、それらがみな明かりをつけて輝いている。海面に映るネオン。すごいなぁ、きれいだなぁ。
ハーバーに降り立ち、今度は夜景とならぶ「いわゆる香港」のイメージ、絵葉書でよく見る「水上レストラン」のイルミネーションを見に行く。浮かぶ巨大レストラン。桟橋からその威容を眺めて口ぽっかり。以前はあんまり美味しくなかったんですが、経営者が変わってからはなかなか美味しくなりましたよ、今度香港に来る時はぜひどうぞ。ここは欧米のお客さんに人気があるのです。あぁ、そうだろうなぁ。異国情緒たっぷりだもの。きらびやかなアジア。

バスでビクトリアピークまで上がる。山の上からの夜景を楽しむ。あぁ、香港だー。きれいだね、ばあちゃん。そのころには私のカメラのフイルムはなくなっており、母のデジカメを「夜景モード」にしてぱちぱち撮る。雨降らないでよかったね。くだりはケーブルカーで。かなりの急角度で降りていく。その山中の傍らには山を突き刺すように高層公団住宅がにょきっと建っている。沢山の窓。沢山の家庭。
ケーブルカーの駅でバスにまた乗り、トンネルを通って九龍半島に戻る。明日の観光はまた香港島。昼過ぎには観光は終わってしまうそうだ。その後どうする?ガイドさんは深セン(どんな漢字?)へのレビュー見学ナイトツアーを勧めるが、乗り気せず。だから明日はダイナスティで晩御飯食べるっていうのがメインイベントなんです、あとはゆっくりぶらぶらします。ホテルでおろしてもらい、裏のセブンイレブンでQooを買い、部屋に戻る。かわりばんこにお風呂に入って、NHK衛星放送ちょっと見て、あぁ、疲れた、おやすみなさいー。持ってきたMD聴きながら寝る。