Me & My Degu

デグーとの暮らし、日々のあれこれ

「浸透と拡散」

靴下ねずみ

お気に入りのフレーズなのである。「浸透と拡散」。なんかアタマよさそう。ちょっとクセのある言葉のあとに引っ付ける。まるで短歌の必殺フレーズ「それにつけても金の欲しさよ」みたいだ。初めて見たのはいつかのSF大会の講演タイトルだった。「SFの浸透と拡散」。SFがどういうものかその概念が世間に浸透する時代、そして次に来るのがその意味・概念が消化され多様化し、世の中に拡散していく時代。こんな感じでいろんな単語に応用できる。「フェミニズムの浸透と拡散」「『冬のソナタ』の浸透と拡散」「タイ料理の浸透と拡散」。
スガシカオの「TIME」を聴いている。低く流しながらあれこれと用事をする。すると、なんかこう、心地よいのであった。洋楽アルバムをBGMにしているような雰囲気。こまかくちゃんと集中して聴けば、それは個々の曲の違いがわかるのだろうが、驚くほどすべての曲が同じ一つの連なりのなかにある。スムーズで都会的で、あぁこれがいわゆる「オシャレ」なのね。歌詞は時々気になるフレーズがいくつかは耳に入ってくるが、でもきちんとみんな歌詞覚えて!とかは思わない。いろんな曲がするするするするすると流れていくのが気持ちいい。コーラスがしゅっと入りキーボードが軽やかにメロディを玩ぶ。あぁいいな。こうなるとシングル曲のサビ部分のキャッチーさがかえって邪魔に思えてくる。
かつてスガシカオの曲というものは、私にとっては「その世界に身を投げて浸りこむ」ものだったのだ。切羽詰って焦燥感が渦巻くひりひりした場所。それから考えると、さしずめこのアルバムは「スガシカオ的なものの浸透と拡散」でいうところの「拡散」のアルバム。「なんか部屋にこんな音楽が小さくなってると、喫茶店みたいだね」と次男が言った。
そういえばあにきさんのHPのことを「日本のブルーズ・ポップス・ロックの創生・浸透・拡散をわかりやすく教えてくださる『僕の知ってる日本のロック』は必見!」と書いたのだった。そんなあにきさんの「POPよもやま」のなかに気になるエントリーが。
04年現在、多分スガシカオのバンドが総合的に見て一番「上手い」とは思うけど、あのチームでもCAM'Sほどの「引き付け」はないわ。創る磁場が凄いもん。http://blog.livedoor.jp/ykawabata451/archives/9612513.html CAM'Sというバンドの紹介なのだが、うう〜ん、凄そう。今週土曜に和歌山でジャマーバンドと対バン。来月には京都でワンマンらしい。一度見てみたいもの。
デグーは狭くて暖かいところがすき。最近のお気に入りは長男のスニーカーソックス。後ろ足をにょーっとのばして果敢に靴下の中にもぐりこんでいく。アタマを出してご満悦。