Me & My Degu

デグーとの暮らし、日々のあれこれ

バナナは寒かった

台風が来るよ

あなごを炊いていると病気で学校を休んだ下の子が匂いを嗅ぎつけてやってきた。「ちらし寿司?今晩どっか行くの?」LIVEの日の晩御飯の定番メニュー。今日はバナナホール有山じゅんじ「Thinkin' of you」CD発売記念LIVE。
バナナホールにはたくさんの人。週半ばということでスーツ率高し。しかし、思いのほか若いお嬢さん達も多い。どういうきっかけで有山氏を知ったのか、話を聞いてみたい。
オープニングアクトは、アルバムの録音をしたというスタジオの持ち主がボーカル&ドブロによるスライドギター担当のバンド。あとはバイオリン・ウッドベース・ギター。ノスタルジックな楽団。JIVEというのだろうか、達者な音を聞かせてくれたが、「音の無いところにもリズムを感じる」ところまではいかず。
てきぱきとステージが片付けられ、真ん中に椅子、サイドテーブルには小さなスタンドと水割りが乗っている。待ってました、有山じゅんじ氏の登場だ。にんまりと会場を見渡した後、始まった曲は「ドレミファ、ソっと暮らしてる」。♪僕をそっとしといてね♪ あはは、なんともあまのじゃく。
ステージのライトに照らされて歌う有山氏。なんかいつもと違う感覚あるのはナゼだ。そうか、私は高い位置で歌う有山氏を見上げて聴くということをしたことがなかったのだった。これまでは狭いLIVEハウスや酒場でしか有山氏を聴いたことがなかった。バンドでのLIVEだったネストサルーンにしたところでステージの高さは教壇くらいだ。そんなところでのLIVEは、まるで部屋に招かれたような空間で、客は部屋の主の有山氏が気の向くままにあちこちする様子を楽しむような具合。仲間内で一番やんちゃでかっこいい「ガキ大将」が有山氏なのだ。しかし高いステージで歌う有山氏は、どこからどう見てもキャリアを積んだスゴ腕のミュージシャンであり、われわれ凡人との間にはステージの高さ分「手の届かない光り輝く人」なのだった。
「光り輝く人」は、今日はレコ発LIVEだし、ということでこの辺でちょっとこの話題を喋って、このへんでこういう曲調の歌を集めて、という構成は考えてはったようで、最初から「今日は喋りは少なめで」と仰るのだった。しかし、言ったはしからつい「いつものカンジ」の喋りが出てしまうあたりがご愛嬌。でも、気を入れて歌いだすと、やはり唯一無比。そう、音の無いところにもリズムを感じる。だから、歌詞がなくなり、ギターもなくなって、ただ「う! えぃ!」とシャウトするだけになっても「ありやまな夜だ」にはわくわくさせられるのだろう。今日の私の一曲は「月の唄が聞こえる」。さっきまで題名がわからなかったが公式BBSにセットリストを書いて下さってる方がおられた。感謝。ひたすら甘く甘く繊細に弾かれたアルペジオが素晴らしかった。「有山ギター教室な。でもひけらかすヤツってかっこ悪いな」といいつつ、ばらんばらんと力強くギターをかき鳴らす。すごいすごい。「仲間内のガキ大将」と「光り輝く人」との間を行ったりきたりする2時間あまりだった。
びっくりしたこと!たとえば山崎まさよし氏がぼそぼそと喋って間を持たせながら同時にギターのチューニングするのもすごいなぁと思っていたが、有山氏はなんと、曲の途中で、曲弾きながらチューニングをしはるのだった。ぐじゃぐじゃぐじゃぁ〜っと弾きつつ、そのじゃぁ〜っのところでチューニングをあわせる。神業。や、もちろん、ごく普通にチューニングすることのほうが多かったが。
あと、アンコールのときに客席から花束を渡す人がお二方いてはって。どうなんだろう、私はちょっと違和感をもった。シロートさんの発表会じゃないんだから。それでは仲間内のガキ大将の晴れ舞台って風情ではないか。有山さんは「光り輝く人」なんだぞ。「洋食焼き」の入ったスーパーでもらうようなビニール袋を手渡す人も。なにも今ココで。
怒ったこと!「撮影禁止」ってアナウンスがあったでしょう?なんで平気でカメラむけたり、携帯で写真撮ったりするかな!それも何度も。山崎氏のLIVEだったなら、周囲の指弾をあびているところだ。携帯だとそのたびにしゃりらりんと電子音がしているし。その人らは、「近所のガキ大将」としてしか今の有山氏を見ていないんだろうな。