打ち出の小槌

よく、「幼児の疑問にはちゃんと答えてやるように」と教育者は言う。出来る限り私も子供らの問いには答えてきたつもりだ。でも、あの教えもたいがいのモンよな、と思う。彼らはなんでも聞けば答えが返ってくる、と思っているフシがある。TVのニュース見ながら、「アレなに？」って聞かれても、んなもん私かて君らと一緒で今はじめて見たんやがなっ！こういうのが長じて、なんでも言えばなんとかなる、と思っているフシがある。
夜も遅くに「新しいノート無い？」とか「半紙ない？」とか聞くな、私に。私はコンビニか！ヒドい時は「お母さん、イカ無い？」というのもあったぞ。イカって。なんで夜更けにイカなんて私が持ってると思うんや！写生するってったって。
今夜は上の子が「お母さん、髭剃りない？」 あのね、なんで髭剃りをお母さんが持ってると思うっ！相手が違うでショ！お父さんに聞けよ〜！どうやら急に目立ってきた口元のほわほわしたヒゲが気になってきたらしい。
残念ながら父親は電気シェーバー愛用者であり、そんなニコ毛のようなヒゲは剃れない。「ねぇ、お母さん髭剃り…」 だから今までほっといたんだから後一日や二日剃らんでもええやんかっ！説得に応じずウロウロ探し回るムスコが情けなく…よし、しゃぁない、コレ使い。まだ新品やし。
というワケで、わたくしがワキのお手入れに愛用している「フリッカー・アール」の備蓄品登場。（写真参照） 歯が5枚内蔵してあり、回転式で歯をかえていくスグレもの。撫でるように肌に滑らせるとアラ不思議すべすべに。
ほれ顔出してごらん。上唇の下に舌入れて膨らませてみ。ちょいちょいちょい。よっしゃ、出来上がりっ！おぉ、なるほど〜と感心し、満足げにそのまま自室にフリッカー・アールを持っていこうとするムスコ。ちょっと待て、明日ちゃんとした髭剃り買ってきてやるから、それ返してよ！